同性愛男性の献血禁止、段階的に緩和へ フランス
(CNN) フランスのトゥーレーヌ保健相は4日、1983年から続いていた同性愛者の男性の献血を禁じる規則を段階的に緩和すると明らかにした。
トゥーレーヌ保健相は「献血とは寛大な行為であるとともに市民としての責務であり、性的指向によって制限することはできない。患者の完全な安全に配慮しつつ、タブーと差別に終止符を打つ」と述べた。
来年春には、同性との性交渉の経験のある男性でも献血を行うことができるようになるが、過去12カ月の間に同性との性的交渉を持っていないことが条件となる。
トゥーレーヌ保健相は、この12カ月の猶予期間について、オーストラリアやオランダなどの先進国でも同様の措置が採られていると述べた。スペインとイタリアでは猶予期間はもっと短い一方、ドイツやオーストリア、ベルギー、デンマークでは同性と性的交渉を持った男性の献血は認められていない。
英国でも同様の規制は2011年に撤廃され、12カ月の猶予期間が導入された。
また血漿(けっしょう)献血については、男性との性的交渉が過去4カ月間ないか、あっても1人の決まったパートナーとだけであれば行えるようになる。保健当局は約1年間にわたり、安全性についての評価を行う。リスク増が確認されなければ、男性同性愛者の献血ルールもそれ以外の人々と同じになる見通しだという。
米国では1980年代以降、同性との性的交渉を持った男性の献血は認められていない。だが昨年12月、米食品医薬品局(FDA)のハンバーグ局長は、一律禁止をやめて12カ月の猶予期間を導入することを勧告した。