イスラエルスパイの元米海軍将校、30年ぶりに仮釈放
ポラード氏はユダヤ系米国人で、1960年代、父親の仕事で10代で米インディアナ州に移住した。米中央情報局(CIA)の報告書によると、移住先についてポラード氏は「人種差別と偏見が慣習化している場所だった」として、ユダヤ系の学校で多くの時間を過ごして心身の安らぎを覚えたと発言。その後、スタンフォード大学を卒業後、米海軍の情報機関で専門調査員として勤務した。職場の同僚らが反イスラエルの立場を取っていたことも、イスラエルのスパイに傾倒していくきっかけになったという。
最高機密にアクセスする権限を持ち、テロ活動の分析などに従事していたが、1985年にスパイ容疑で逮捕。イスラエル情報当局の幹部と接触し、1年半にわたり、スーツケース数個分の機密書類を引き渡していたことが発覚した。書類はイスラエルが敵対するアラブ諸国や、こうした国が旧ソ連から受けている軍事援助に関する内容だった。