有志連合のイラク空爆、民間人4人殺害か 米国防総省
ワシントン(CNN) 米国防総省は20日、イラクで続けている過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の拠点への米軍機の空爆で今年3月、民間人4人が犠牲になった可能性があることを認めた。うち1人は子どもだったともみられる。
中東地域を管轄する米中央軍の報道担当者によると、米主導の有志連合軍がイラクとシリアで進めるISIS拠点への空爆ではこれまで計6人の民間人殺害の疑いが出ている。イラクで5人、シリアで1人で、公式調査が続いている。この他、民間人殺害の可能性がある事例は26件あるという。
同省は3月の空爆の被害者の身元については、非戦闘員が殺された可能性があるとの非政府組織(NGO)の指摘を受け、数カ月間にわたって調査を進めていた。
米中央軍が発表した調査結果によると、ハトラ近くで3月13日に実行された空爆はISISの検問所が標的となった。停車した車両2台に乗っていた人物をISIS関係者と疑い、地上攻撃機A10に空爆許可を出したという。しかし、この後の調査で乗っていたのは民間人だった可能性が浮上したという。
米中央軍の報道担当者は空爆実施後、民間人が現場にいた形跡はなかったと説明した。だが、NGOがこの後、民間人が乗っていた自らの車が空爆の攻撃を受けたとするイラクの一般住民による電子メールを米当局に提供し、調査が始まったと述べた。
米軍は今年、シリアで昨年11月に行った空爆で子ども2人が犠牲になった可能性があるとも発表していた。