ヒスイ鉱山で地滑り、作業員30人死亡 ミャンマー
(CNN) ミャンマー北部カチン州のヒスイ鉱山で21日に地滑りが発生し、少なくとも30人が死亡した。国営メディアが伝えた。
地元紙の報道によると、現地時間の同日午前3時ごろ、同州パカンのヒスイ鉱山で、約60メートルの高さに積み上げてあった採掘後の土砂が崩れ落ち、作業員が寝泊まりしていた小屋70棟が下敷きになった。被災を免れたのは5棟のみだった。
現場には軍が出動して地元住民と共に捜索救助活動に当たったが、作業員が次々に遺体で見つかり、犠牲者の数は増え続けている。
同鉱山は質の高いヒスイを産出する鉱山として世界的に有名だった。ヒスイは特に隣国の中国で高い値が付く。作業員の多くはミャンマー国内からの出稼ぎ労働者で、採掘後の土砂をかき分けてヒスイの残りを探し、生計を立てていたという。
環境保護団体のグローバル・ウィットネスが先月公表した報告書によると、ミャンマーのヒスイ産業の規模は推定310億ドル(約3兆8000億円)。これは同国の国内総生産(GDP)の48%に当たる。
しかしこの利益は軍関係者や麻薬密売業者の「裏金」となり、地元を潤すことはないという。鉱山会社の操業によって深刻な環境汚染が引き起こされ、死亡事故も後を絶たないとされる。
カチン州では独立を求めるゲリラ組織「カチン独立軍」と政府軍との間で長年の戦闘が続いている。