パリ同時テロ容疑者、シリアへ逃走か
(CNN) 今月13日のパリ同時多発テロ事件に関与したとして国際手配されているサラ・アブデスラム容疑者は、すでにシリアへ逃げ込んだ可能性があることが分かった。同容疑者が事前に10個の点火装置を購入していたとの情報もある。
捜査当局や対テロ当局に近い情報筋の話によると、仏情報当局はアブデスラム容疑者がシリアへ逃走したとの見方を示している。
ただしベルギー当局の認識は異なるようだ。同国の治安当局者と接触している専門家が11月30日、CNNに語ったところによると、治安当局はアブデスラム容疑者がシリアを目指している可能性を常に想定してきたが、今のところ同国へ入った形跡はみられないという。
捜査当局に近い情報筋は30日、アブデスラム容疑者が事件前、パリ近郊の花火店で1個10ユーロ(約1300円)の点火装置10個と電池を購入していたと語った。仏紙の報道によれば、花火店の店主はアブデスラム容疑者の名前や写真が公表された時点で当局に通報したという。
アブデスラム容疑者が事件でどのような役割を果たしたのか、当局は詳細を明らかにしていない。ただパリ検察によると、現場のスタジアムへ車で自爆犯らを送り届けた可能性がある。
この車は事件の4日後、パリの18区で発見された。過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が14日に出した犯行声明では実際にテロが起きた複数の現場に加え、18区という地名が挙がっていた。捜査当局がこれまでに割り出した実行犯は7人とされるが、犯行声明は「8人の同胞」が攻撃を実行したと述べている。アブデスラム容疑者が8人目として、18区での攻撃を予定していたとも考えられる。