ロシアが「証拠ある」、トルコは反発 「石油密輸」で舌戦
(CNN) ロシア軍当局者は2日、トルコが過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」と石油取引を行った「確たる証拠」があると述べた。一方、トルコのエルドアン大統領は「トルコを中傷する権利など誰にもない」と反発している。
ロシア国営スプートニク通信によれば、ロシア当局者によって発表されたのは、シリアのISIS支配地域にある製油所とトルコとのつながりを示すとされる写真とビデオ。このルートを通じ、かつては1日あたり300万ドル相当の石油が輸出されていたが、ロシア軍の空爆で現在は約半分に減っているという。
ロシア軍当局者は「トルコへの石油移送の主なルートは3つあった」と主張。それぞれ行き先は地中海に面したトルコの港や、トルコ国内の製油所だったという。
ロシアのアントノフ国防次官は「トルコの最高政治指導者ら、つまりエルドアン大統領とその一族が、この犯罪的なビジネスに関わっていた。証拠がにせものだと言うなら、これらの地域をメディアに公開すべきだ」と述べた。
一方、エルドアン大統領は2日、カタール大学での講演で、「トルコを中傷する権利など誰にもない。トルコがISISから石油を買っているなどという中傷はなおさらだ。テロ組織から石油を買うほどトルコの倫理観は失われていない」と反論している。
トルコ軍によるロシア機撃墜以降、両国の関係は緊張が続いている。エルドアン大統領は、非があるのは領空侵犯をしたロシア機だとの立場から謝罪を拒否。一方、ロシアのプーチン大統領は、トルコがISISから石油を輸入していると述べるなど、非難の応酬が続いている。