反体制派の拠点ホムスで停戦合意、市民らが避難 シリア
ワシントン(CNN) シリアの反体制派が掌握していた歴史都市ホムスのワエル地区で一時的な停戦が成立し、身動きが取れなくなっていた住民らが9日、避難を開始した。停戦が完全履行されれば同地区は武器や武装集団が一掃され、州の統治下に置かれる。
4年半に及ぶ内戦でホムスは政府軍の集中的な砲撃を受け、市内の大部分はがれきと化した。
反体制派のシリア人権監視団(本部・英国)によると、アサド政権と反体制派の各派との間で合意が成立したことを受け、ワエル地区では9日の夜明けと共に、市民や反体制派の戦闘員、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」のメンバーなどがバスで同地を離れた。
合意に基づく武装集団の撤退や武器の運び出しなどの作業は、シリア・アラブ赤新月社が監視に当たった。
ホムス知事の8日の発表によると、同地を離れる武装勢力メンバーらに対しては、中型と大型の武器を引き渡すことが義務付けられ、軽量の武器のみ携行を許される。
避難した住民らはトルコと国境を接する北東部のイドリブや、近郊のハマに向かう。
ワエル地区からは計約800人がバスで脱出する予定。このうち400人以上は女性や子どもで、男性は80人、負傷者などは40人。ISISの戦闘員80人と、アルカイダ系武装勢力ヌスラ戦線のメンバーも含まれる。
シリアでは他の勢力も同様の停戦に向けた交渉を行っている。