タイム誌「今年の人」にメルケル首相 金融危機や難民対応を評価
(CNN) 米誌タイムは9日、毎年恒例の「今年の人」に、ドイツのアンゲラ・メルケル首相(61)を選んだと発表した。
最終選考にはメルケル氏のほか、黒人青年が白人警官に射殺された事件に端を発する抗議運動グループや、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」指導者のアブバクル・バグダディ容疑者、「私は女性」と宣言した男子陸上金メダリストのケイトリン・ジェンナー氏、配車サービス「ウーバー」のトラビス・カラニック最高経営責任者(CEO)、ロシアのプーチン大統領、イランのロウハニ大統領、米大統領選で共和党の指名獲得を目指すドナルド・トランプ氏の7候補が残っていた。
米NBCテレビの番組の中でタイム発行人のナンシー・ギブズ氏は、メルケル首相を今年の人に選んだ理由について、欧州の金融危機や、中東やアフリカからの難民流入、欧州で続発したテロなど相次ぐ問題への対応を評価したと説明した。
またカール・ビック総合編集者は、メルケル首相を「欧州連合(EU)の事実上のリーダー」と形容。欧州は今年、ギリシャに端を発するユーロ圏の金融危機と、大量の難民流入という「存亡の危機」に2度も見舞われ、メルケル首相の主導で乗り切ったと指摘した。
ドイツは難民を積極的に受け入れる姿勢を示し、欧州のどの国よりも多い80万人の受け入れを表明している。
タイム誌の今年の人に女性が選ばれるのはメルケル首相で4人目。過去には元英国王エドワード8世の妻だったウォリス・シンプソン夫人、英エリザベス女王、フィリピンのコラソン・アキノ元大統領が選ばれている。
10 photos that show why Angela Merkel is the world’s most powerful woman #TIMEPOY https://t.co/0soigkPNPV pic.twitter.com/EY2rMQP7tP
— TIME.com (@TIME) 2015, 12月 9