キリスト教徒守って負傷したイスラム教徒の男性が死亡 ケニア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
サラ・ファラさん=VOA News

サラ・ファラさん=VOA News

(CNN) ケニアで武装勢力の襲撃からキリスト教徒を守って負傷したイスラム教徒の男性が、入院先の病院で死去した。

教員のサラ・ファラさんが乗っていたバスは昨年12月、同国北東部のマンデラで武装集団「シャバブ」に襲撃された。武装集団はキリスト教徒の乗客を殺害すると脅す一方、イスラム教徒には危害は加えないと告げたという。

これに対してファラさんは、他のイスラム教徒の乗客と一緒に武装集団の前に立ちはだかってキリスト教徒を守り、銃撃された。

ファラさんはここ数週間は元気そうな様子で、英BBCなど各国のマスコミの取材に応じたり、家族と談笑したりしていた。しかし18日に受けた手術の最中に死亡した。

生前に受けた米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカのインタビューでは、「私たちは兄弟であり、違うのは宗教だけ。だからイスラム教の兄弟にはキリスト教徒のことを思いやるよう呼びかける。そうすればキリスト教徒も私たちのことを思いやってくれるだろう。互いに助け合い、共に平和に暮らそう」と語っていた。

遺体は警察のヘリコプターで故郷の町に搬送され、埋葬された。妻は妊娠中で、ファラさんとの間に4人の子どもがいる。一家の生計は主にファラさんが担い、年老いた両親の面倒も見ていた。母は息子が死亡したという知らせに、言葉さえ出なかった。

同国の教員組合はファラさんに哀悼の意を表し、遺族を支えると表明。マンデラ郡知事も妻を助けて子どもたちには教育を受けさせると約束した。

メールマガジン登録
見過ごしていた世界の動き一目でわかる

世界20億を超える人々にニュースを提供する米CNN。「CNN.co.jpメールマガジン」は、世界各地のCNN記者から届く記事を、日本語で毎日皆様にお届けします*。世界の最新情勢やトレンドを把握しておきたい人に有益なツールです。

*平日のみ、年末年始など一部期間除く。

「World」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]