北朝鮮、開城工業団地を軍事統制区域に
ソウル(CNN) 北朝鮮政府は11日、南部にある開城(ケソン)工業団地の操業を韓国が中断したことを受け、工業団地の資産をすべて凍結し、韓国側関係者を全員追放すると発表した。国営メディアによれば、工業団地は軍の統制下に置かれ、両国軍をつなぐホットラインも遮断された。
開城工業団地は軍事境界線の数キロ北に位置し、2004年以降韓国と北朝鮮が共同で運営。韓国は10日、北朝鮮が行った核実験や事実上の長距離弾道ミサイル発射に対する制裁として同工業団地の操業を全面中断していた。
北朝鮮は、操業中断は朝鮮半島を戦争の瀬戸際まで追い込む行為であり、「自分の足の上におのを落とす」ようなものだと韓国を非難した。
10日には日本も北朝鮮への制裁強化案を発表した。
新たな制裁案では、北朝鮮籍の人物や同国の政府関係者、それに北朝鮮船舶の乗組員の日本への入国を禁止。北朝鮮に渡航した外国人の核・ミサイル技術者の再入国も禁止される。
また、10万円以上の送金が禁止されるほか、10万円以下であっても人道目的以外であれば送金は認められない。北朝鮮への渡航の際に10万円以上の現金を持ち出す際にも、政府への届け出が義務づけられる(従来は100万円以上)。
制裁案を実施に移すには、内閣と国会の承認が必要となる。
これに先立ちクラッパー米国家情報長官は9日、北朝鮮は寧辺(ヨンビョン)のウラン濃縮施設を再稼働しており、「数週間もしくは数カ月の間に」使用済み核燃料からプルトニウムを抽出できるとの見解を明らかにした。