米上院、北朝鮮に対する制裁強化法案を可決
ワシントン(CNN) 米上院は10日、北朝鮮に対する制裁強化法案を全会一致で可決した。北朝鮮による核実験や事実上の弾道ミサイル発射実験に加え、サイバー攻撃や人権侵害といった不正に対しても制裁を検討するよう義務付けている。
オバマ政権の政策で北朝鮮の暴挙を阻止できずにいることに対しては、民主、共和両党が苛立ちを募らせていた。
法案は大統領に対し、北朝鮮による大量破壊兵器の拡散、人権侵害、サイバー攻撃といった制裁の対象となり得る行為について調査することを求める内容。そうした行為に関与した人物への制裁や、制裁の執行強化も義務付けた。
法案を起草したボブ・メネンデス上院議員(民主党)は、「我々は北朝鮮について、地政学的現実から切り離された奇妙な政権であり、クレージーな指導者が率いる奇妙な政権はいつか必ず崩壊するから心配は無用だとみなす傾向があった」と指摘。しかし「4回の核実験、3代の金政権、2度の国連安全保障理事会決議違反、そしてシリアへの核技術移転の試みは明らかに、米国が北朝鮮の挑戦を深刻に受け止めるべき時が来たことを示している」と強調した。
法案は下院での調整を経て大統領に送られる。