アフガン軍の「戦略的」撤退を地元が批判 対タリバーンの激戦地
カブール(CNN) アフガニスタン軍が同国南部ヘルマンド州のナウザド、ムサカラ両地区から部隊を引き揚げたことに対し、地元から「無責任」と批判する声が上がっている。反政府勢力タリバーンとの戦闘が続く中での撤退だったことが背景にある。
ヘルマンド州では2014年末まで、数千人規模の米英軍部隊がタリバーンと激戦を展開。国際部隊が撤収した後はアフガン軍が戦いを続け、多数の死者を出しながら一部の地区を奪回していた。
アフガン軍の幹部は20日から21日にかけて実施したナウザド、ムサカラ両地区からの撤退を「戦略的」な動きだと説明。部隊が今後戻る可能性もあると話している。
しかし同州議会の議長はCNNとのインタビューで、軍の撤退は無責任で間違っていると批判。「誤った判断や指導力の弱さのせいで、これまでに奪回した地区も敵に奪い返されてしまう」と主張した。さらにワシル、カジャキ、サンギンという近隣の3地区まで陥落の危機に陥るとの懸念を示した。
英軍にとってサンギンは、かつて100人を超える兵士を失った激戦地として特別な意味を持つ。昨年12月には一時タリバーンに占拠されていた。
英政府の報道官は22日、今後も訓練や助言といった戦闘以外の活動を通し、アフガン軍を支援していくと表明した。