オバマ氏、テロ組織の核入手阻止を訴え ISISの攻撃にも警鐘
(CNN) オバマ米大統領は1日、米ワシントンで開かれた核保安サミットで演説し、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」について、シリアやイラクで国際社会の圧力が増すなか、支配地の外でさらなる攻撃に出る可能性があるとして警鐘を鳴らした。また、テロ組織への核拡散防止のため国際社会が協調する必要性についても訴えた。
オバマ氏は「ISIL(ISIS)の支配地がシリアやイラクで狭まるなか、トルコやブリュッセルで最近、悲劇的な事件があったように、別の場所で攻撃に出てくる事態が予想できる」と述べた。
今年の核安保サミットではISISに焦点を当てた特別セッションも開催した。昨年11月のパリ同時多発テロ後には、ベルギーの核当局者の動向を追跡していた映像が浮上。ISISが大量破壊兵器に興味を示していることが浮き彫りになった。
オバマ氏は世界中から集まった指導者が核安保を議論することで、テロリストが核兵器を手にする確率を減らせる可能性があると指摘。「テロ組織は今のところ、核装置の入手に成功していない。サミットでのわれわれの仕事は、こうした事態を阻止するために可能な限り手を尽くすことだ」と述べた。
そのうえで、現在の課題はISISのような組織が大量破壊兵器を入手するのを防ぐことだと主張。もし入手に成功すれば、「テロリストが最大限の犠牲者を出すためにこれを使用するのは確実だ」と述べた。
オバマ氏はまた、1日の会合の冒頭でイランとの核合意にも言及。イランとの合意は容易ではなかったとしたものの、「国際社会が一致団結すれば、共通の安全保障策を推進できることを示している」と述べた。