米国、イランの重水を購入 昨年の核合意受け
ワシントン(CNN) 米国のオバマ政権高官は23日までに、イランと米欧などの6カ国が昨年結んだ核合意に基づき、米国がイランから原子炉に用いられる重水32トンを購入する方針を明らかにした。
イランは核開発の一部放棄を盛り込んだ昨年の合意を受け、濃縮ウランのロシアへの輸出も義務付けられた。重水の利用は核兵器への転用が可能なプルトニウム生産にもつながる。
CNNの取材に応じたオバマ政権高官によると、イランからの重水買い入れ価格は860万ドル(約9億6300万円)。米エネルギー省は受け取った重水を国内の研究施設に売却する計画で、負担の費用は相殺出来ると踏んでいる。
米国は現在、国内での重水生産が出来ない状況にあり、科学研究用の在庫が不足しているという。
ただ、イランからの重水購入については米共和党内から反発が出ており、ライアン下院議長は「核合意はイランに見返りの条件与えるだけの贈り物となっている」と批判。イランの核開発プログラムを直接的に補助する内容になっていると主張した。