中ロ外相、高高度迎撃ミサイルの韓国配備に懸念表明
(CNN) 中国、ロシア両国は29日、弾道ミサイル発射を繰り返し新たな核実験強行への動きなども見せる北朝鮮への対抗策として米国、韓国が検討する高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD(サード)」の韓国配備への懸念を改めて表明した。
中国の王毅(ワンイー)外相とロシアのラブロフ外相が北京で会談後の共同記者会見で示した。王外相は「中ロ両国はTHAAD配備は関係国の実際の国防上の必要性を上回る措置と受け止めている」と指摘。
配備されれば、中国とロシアの戦略的な安全保障に直接的な脅威となるとの認識を示した。朝鮮半島の核問題の解決に寄与せず、既に高度の緊張関係にある現状をさらに煽り、地域の戦略バランスを崩すとも主張した。
米国は韓国へのTHAAD配備は北朝鮮の脅威の相殺のみを見据えているとしているが、中国は自らのミサイルも標的になるとの懸念を深めている。
韓国は今年2月、北朝鮮が衛星打ち上げと称する事実上の弾道ミサイルを発射した後、THAAD配備について米国側との協議開始を発表していた。
米国のカーター国防長官は今月、米外交問題評議会での講演でTHAADの韓国配備は必要であり、実現するとの見通しを示していた。ただ、配備時期などは明らかになっていない。