米軍、欧州MD計画で初のミサイル稼働 ロシア反発
NATO防衛戦略の一環に組み込まれ、ドイツのラムシュタイン空軍基地にある司令統制センター、トルコのレーダー基地、敵ミサイル探知や追跡に当たる艦艇4隻やスペイン・ロタに配備されるNATOのSM3ミサイルなどとの統合作戦を想定している。
一方、ロシアのタス通信によると、同国大統領府のペスコフ報道官は米国の今回の措置を受け、安全保障を維持する上で必要な対抗措置が講じられると主張。ロシアのプーチン大統領は昨年10月、同国の国際社会における役割に焦点を当てる会議で、MD計画に触れ、米国は決して存在しないイランの脅威を作り出し、戦略バランスの崩壊を狙っていると非難していた。
米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」の欧州問題担当責任者はCNNの取材に、ロシアは以前、MDへの対抗措置としてウクライナ危機に伴って併合に踏み切ったクリミア半島やカリーニングラード州に地対空ミサイルのS300を配備させることを示唆したことに言及した。同州は、リトアニアとポーランドに挟まれた飛び地のロシア領となっている。
米ロ関係は、ロシアによるクリミア半島編入やウクライナ東部の親ロ派武装勢力への肩入れに伴ってにらみ合いが続いている。最近ではバルト海などでロシア軍戦闘機などが米軍機や艦艇に異常接近する威嚇行為も頻発させている。