蔡英文氏、台湾初の女性総統に就任
台北(CNN) 今年1月の台湾総統選挙で当選した民進党の蔡英文(ツァイインウェン)主席は20日、台湾初となる女性総統に就任した。自身に投票した有権者の期待と、台湾独立の動きを容認しない強い姿勢を示している中国指導層との間で、難しいかじ取りを迫られそうだ。
1月の総選挙では、民進党が行政院(内閣)と立法院(国会)をともに掌握するなど、蔡氏は大きな信任を得た。ただ、中国政府との関係悪化により、国内で思うような政策を実行できなくなる可能性もある。
台湾当局は4月、台湾籍の45人の身柄がケニアから中国本土に強制移送されたことを受け、「基本的人権を著しく侵害した」として中国を批判した。強制移送された人々は中国の国営テレビに出演。ケニアでは無罪とされた罪について「自白」していた。
蔡氏は就任演説で、中国との複雑な関係に対処できる能力を国民社会に示す必要がある。鍵となるのは、いわゆる「一つの中国」原則に言及するよう求めている中国政府の要求に蔡氏がどう対応するかだ。
「一つの中国」原則をめぐっては、双方が「異なる解釈」を取ることを認め、主権をめぐる問題を意図的に曖昧(あいまい)にしてきた経緯があるが、中国は近年、こうした状況に終止符を打つ構えをみせている。
一方で、蔡氏を選んだ有権者の主な懸念は国内問題であり、こうした有権者の期待と外交問題の間でうまくバランスを取れるかが政権運営の焦点となる。