オーストリア大統領選 極右候補が接戦の末に敗北
ファンダーベレン氏は都市部で支持を集めてきたのに対し、ホファー氏は農村部からの支持が大きく、不在者投票ではもともとファンダーベレン氏が優勢になると予想されていた。
ホファー氏はフェイスブックへの投稿で敗北を認め、「チャンスが与えられたことに感謝する」と述べた。
専門家らによると、同国の戦後政治を支配してきた中道左派の社会民主党、保守の国民党という2大政党が第1回投票で敗れ、決戦投票は中道不在の争いとなった。既存政治に対する国民の失望に、移民・難民危機という争点が加わった結果とみられる。
ホファー氏の自由党は移民排斥を訴え、両親が一時難民キャンプに滞在していたというファンダーベレン氏と激しく対立した。
同国では先月、移民に対する国民感情の悪化を反映し、政府が緊急事態を宣言した場合に国境で大半の移民を送還できる法律が可決されていた。
ホファー氏はまた、現在は象徴的な存在にとどまっている大統領の権限を拡大したいとの意向も示していた。