仏メディア、テロリストの実名と写真の掲載自粛 賛否も
(CNN) 仏有力紙ルモンドは27日、テロリストの実名と写真の報道をやめると発表した。理由は報道の結果、死んだテロリストが礼賛の対象となることを防ぐためだ。CNNの地元系列局BFMTVとカトリック系紙ラクロワも同様の措置を取っている。
だが、すべての仏メディアが足並みをそろえているわけではない。国営放送フランス・テレビジオンは公共の利益となるかを基準にケースバイケースで対応するとしている。
ロンドン大経済政治学院(LSE)のシンクタンクで国際報道研究を行う「ポリス」のトップ、チャーリー・ベケット氏はルモンドの決定についてこう語る。
「ああいう残虐な行為をした恐ろしい人物の写真を第1面で大きく扱いたくないと考える理由は理解できる。不快感を与えるというのもあるが、(テロリスト側の)思うつぼで、特定の人物を称揚することにつながるからだ」
またそうした報道が、テロ組織がカネや人を集めるのを容易にしている面もあるとベケット氏は言う。