黄熱病で400人死亡、1400万人に予防接種 西アフリカ
(CNN) 西アフリカのアンゴラとコンゴ(旧ザイール)で黄熱病が流行し、感染拡大を食い止めるためにこのほど緊急予防接種が始まった。世界保健機関(WHO)によると、両国では黄熱病のためこれまでに400人以上が死亡している。
今回の流行は昨年12月から始まり、両国でこれまでに感染が確認された症例は953例、感染の疑いがある症例は6136例あまりに上る。予防接種は約8000カ所で約1400万人を対象に実施して、雨季に入る9月までに感染の拡大を食い止めることを目指す。
ワクチンをできるだけ多くの人に行き渡らせるために、接種量は標準の5分の1の量にとどめる。この措置は限られた量で最大限の効果を発揮させる手段として諮問機関が提言。WHOはアンゴラのために2100万回分、コンゴのために1150万回分のワクチンを承認した。
黄熱病は蚊がウイルスを媒介する出血性疾患で、発熱、頭痛、黄疸(おうだん)、筋肉痛、吐き気、疲労感などの症状を伴う。重症化すると約半数が10日以内に死亡する。
アンゴラでは昨年12月下旬に首都ルアンダで流行が始まり、国内18州のうち16州に感染が広がった。これまでに369人が死亡しているが、7月から7月上旬にかけては新しい症例は確認されていない。緊急予防接種は15日から始まった。
コンゴは4月23日に流行を宣言。26州のうち7州で感染が確認された。保健省はまず首都キンシャサとアンゴラに国境を接する地域を中心に、17日から予防接種を開始する。
両国では既に計1600万人が予防接種を済ませているという。