イラン軍艦艇、米駆逐艦を「高速で妨害」 ホルムズ海峡
(CNN) 米海軍高官は24日、中東のホルムズ海峡近くの公海上でイラン革命防衛隊の艦艇が米海軍の駆逐艦「ニッツェ」を「高速で妨害」したことに言及し、「危険でプロ意識に欠けた」行為だとの認識を示した。
事件は23日、ニッツェとミサイル発射駆逐艦「メーソン」がホルムズ海峡近くで通常の航行を行っていた際に起きた。
高官によればこのとき、2隻のイラン艦艇が一時、ニッツェから約270メートルの距離まで接近。ニッツェは繰り返し警告を発したが、効果はなかったという。
イラン革命防衛隊の艦船4隻が高速で近づいてきたため、ニッツェは12回にわたって無線で連絡を試みたが返答はなかったという。4隻のうち2隻がニッツェに高速接近を続けたため、ニッツェは汽笛を使った危険信号を3度にわたって鳴らした。同時に照明弾を10発発射して警告をしたが答えはなかったという。
近くには海底油田の施設があったものの、イラン艦艇との衝突を避けるためにニッツェは方向転換。2隻のイラン艦艇は、ニッツェから270メートルまで近づいてようやく速度を緩め、その後離れていった。
昨年12月以降、ホルムズ海峡を入り口とするペルシャ湾ではイラン海軍と米艦艇の間のトラブルが相次いでいる。
同月にはイラン軍が実弾演習の一環として米空母「ハリー・トルーマン」近くでロケット弾を発射。今年1月には革命防衛隊が、ペルシャ湾のイラン領ファルシ島近くに迷い込んだ米海軍の艦艇を拿捕(だほ)し、乗組員10人を一時拘束した。
同じ1月にはイラン軍が無人偵察機を米艦船の上空に飛ばしたとの報道があったほか、7月には中東を管轄する米中央軍司令官が乗船した艦船「ニューオーリンズ」にイラン艦艇が接近する出来事があった。