デング熱予防ワクチン、重症患者の増加招く恐れも 英研究
英インペリアル・カレッジ・ロンドンのニール・ファーガソン氏の研究チームは、臨床試験のデータを調べ、さまざまな状況で使用した場合の効果を検証。その結果、過去にデング熱の流行が起きた可能性の低い地域で同ワクチンを使用した場合、重症患者の増加につながりかねないことが分かった。
ファーガソン氏によれば、デング熱は初めて感染した時よりも、2度目の感染の方が重症化しやすい。このため感染したことのない人がワクチンを接種されると、実際にウイルスに感染した時に重症化する可能性があるという。
同ワクチンの長期的影響についての予測では、過去に流行した可能性が高い地域で使ったとしても、感染者を減らす効果が増やす効果に相殺されて、患者数の減少は10~30%にとどまる見通しだとした。
ワクチン接種前の血清検査を開発すれば、重症化する危険性は排除される可能性があるといい、研究チームは「過去にデング熱に感染したことのある人にとっては、このワクチンは素晴らしい効果がある」と指摘している。