シリアで化学兵器使用、80人以上が呼吸困難に 支援団体
(CNN) シリア政府軍と反体制派の激しい戦闘が続く北部の都市アレッポで6日、反体制派の制圧地域に対して化学兵器が使用され、80人以上が重度の呼吸困難に陥っているという。ボランティア支援団体「シリア市民防衛団(SCD)」が伝えた。
非政府組織の「シリア人権監視団(本部・英国)」も医療関係者の話として、政府軍の戦闘機が「毒ガス」を詰めたたる爆弾を大量に投下したと伝えている。
SCDが公開した映像には、激しくあえぎ続ける被害者が酸素マスクを当てられ、救急隊に抱えられて臨時診療所に運ばれる様子が映っている。
被害者の中には幼い子どもたちもいて、1人の少年はがれきの中から救助され、ホースで体を洗い流されていた。
別の男性は意識を失った状態で横たわり、医師団が肺に酸素を送り込もうと試みている。
アレッポは2015年7月以来、反体制派が一部地域を制圧し、政府軍が今年7月に反体制派の制圧地を包囲。住民は食料や水、医薬品といった物資の供給を断たれ、人道危機状態が広がっている。
同地ではこれまでにも塩素ガスを使った攻撃が何度か伝えられ、国連の調査団は8月下旬、シリアで政府軍と過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が化学兵器を使ったとする報告書を公表していた。