人種差別に抗議のデモ隊が滑走路封鎖、9人逮捕 ロンドン
ロンドン(CNN) 英ロンドンの空港で6日、人種差別に抗議する活動家の集団が滑走路を占拠して一時的に便の運航ができなくなり、警察が活動家9人を滑走路から排除して逮捕した。
ロンドン警視庁によると、ロンドンシティー空港で活動家9人が滑走路上に居座り、三脚を立てるなどして抗議運動を行った。
警察は不法侵入などの容疑で9人を逮捕。空港はその後、滑走路の再開を発表し、乗客には便の運航情報を確認するよう呼びかけている。
ロンドンシティー空港は金融街に近いことから出張などに利用する乗客が多い。抗議運動を展開したのは「ブラック・ライブズ・マター(BLM、黒人の命も大切だ)」と訴える団体で、同空港の拡張計画に対し、貧困層が住む周辺地域に悪影響が及ぶと反発している。
同団体はまた、ロンドンシティー空港は少数のエリートしか利用できないと主張。地中海を横断して欧州を目指す難民や避難民に言及し、「もっと安くて容易で安全な経路は英国などの欧州諸国によって封鎖されている」と述べ、「この人種差別的な環境危機において、黒人は最初に飛ぶのではなく、最初に死んでいく」と訴えた。
ただ、こうした理屈や、この日の抗議活動を行った9人全員が白人だったことに対し、ツイッターで疑問を投げかける声も出ている。
BLMの活動家は先月、英最大のヒースロー空港でも抗議運動を展開して便の運航に支障が出たほか、バーミンガムやノッティンガムでも同時に抗議運動を行っていた。