「超法規的殺人」調査委のトップ解任、大統領批判で有名 比
(CNN) フィリピンのドゥテルテ大統領が続ける麻薬撲滅戦争に関連し、この過程で発生した大量の超法規的殺人について上院の司法・人権委員会で調査が行われているが、フィリピン上院は20日までに、同委員会のレイラ・デリマ上院議員を委員長職から解任した。デリマ議員は長年にわたりドゥテルテ氏への批判を展開してきたことで知られる。
解任にあたっては元ボクシング選手のパッキャオ上院議員が19日夜、動議を提出し、賛成16票、反対4票で可決された。
後任はリチャード・ゴードン上院議員となる見通し。
同委員会は現在、ドゥテルテ氏が6月に大統領に就任して以来、麻薬関連の捜査で警察により実施された1000件以上の殺害について調査している。
同委員会では先週、ドゥテルテ氏が南部ダバオの市長だった時期に「処刑団」の一員だった人物が証言。ドゥテルテ氏が軽機関銃を使って司法省の職員を殺害したなどと証言を行った。ドゥテルテ氏側はこの公聴会で取り上げられた全ての申し立てについて否定している。
デリマ氏は解任前に、上院とフィリピンのイメージを汚しているのは自身ではないと主張。「我が国で続く殺人こそがフィリピンのイメージを壊している」と述べた。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは声明で、デリマ氏の解任を批判。ドゥテルテ氏の麻薬戦争に絡む殺害件数の増加について調査したことへの報復措置とみられると指摘した。