英政府、かつて同性愛で有罪になった数千人に恩赦
ロンドン(CNN) 英政府は20日、過去に存在した同性愛行為を禁止する法律の下で有罪となった同性愛・両性愛の男性を、死去した人も含めて恩赦の対象にすると発表した。
この措置は、第2次世界大戦中にドイツ軍の暗号を解読したことで知られる数学者のアラン・チューリング(2014年の映画『イミテーション・ゲーム』の主人公)にちなんで「チューリング法」と呼ばれている。チューリングは同性愛行為で有罪となり、化学的去勢の対象とされた後の1954年に自殺。2013年にエリザベス女王は、チューリングに死後恩赦を与えた。
これまでも内務省に申請すれば犯罪歴を抹消することはできた。だがサム・ジーマー司法次官によれば、チューリング法の下では「現在ではいかなる犯罪にも該当しないような」同性愛の性犯罪歴をもち、今も生存している人は自動的に恩赦の対象となるという。
21歳以上の男性による同性愛行為を犯罪とする法律は、イングランドとウェールズでは1967年に廃止された。だがスコットランドでは80年、北アイルランドでは82年までこの法律は存続した。
過去の法律で同性愛行為で有罪となった人々が恩赦を求める動きは近年、世界各地で起きている。
ドイツの国外向け公共放送ドイチェ・ヴェレによれば、同国政府はこのほど、旧法下で有罪判決を受けた同性愛者数千人に補償を行う計画を発表。またニュージーランドの国会議員らは7月、30年前に廃止された法律の下で同性愛行為で有罪となった人々に対する公式の謝罪と恩赦を求める請願を行った。