ロシア侵略に備え抵抗手段の「国民手引書」 リトアニア
今回の手引書を作成したリトアニア国防省当局者は侵略を受けた場合、国民は早期警戒システムに組み込まれるとし、重要情報をもたらすことで情報機関や軍兵士を支援出来ると指摘。手引書作成や配布を大々的に宣言することはロシアによる侵略に抑止効果を持つともし、「我々は準備している。ウクライナのようにはだまされない」とのメッセージを突き付けることにもなると説いた。
ウクライナ情勢を受けリトアニアのロシアに対する警戒感は強まり、対応措置も講じていた。徴兵制を再導入し、国防支出を拡大。同国が加盟する北大西洋条約機構(NATO)もバルト海諸国への部隊派遣を増強した。
リトアニアはロシアの飛び地であるカリーニングラード州と国境を接する。同州では今月、核兵器搭載可能な短距離弾道ミサイルが配備されるなど軍事力増強が進められている。リトアニアの2011年の国勢調査によると、同国総人口の約6%はロシア系となっている。
リトアニアは1940~91年、旧ソ連に併合されていた。これに抵抗する武装闘争では最初の10年間で広大な森林地帯などに隠れて戦った約3万人の同国国民が旧ソ連軍に殺害されたという。