故金正日氏の肉声、記録映画に登場 自国映画界を痛烈批判
シンさんとチェさんの話によると、金総書記は映画製作に強いこだわりを持ち、細かいことまで指示していたという。
2人は訪問先の欧州で脱出に成功し、最終的に米国へたどり着いた。テープはその前から外部に渡され、85年には米国務省に持ち込まれていた。当時の担当者は、テープを受け取って「あぜんとした」という。「金総書記の肉声、ましてやプライベートな会話を聞くのは初めてだった」と振り返る。
米国の非政府組織(NGO)、北朝鮮人権委員会(HRNK)のグレッグ・スカラトー事務総長によると、テープの内容からは映画をはじめとするあらゆる分野で自信を持てない金総書記の性格がうかがえるという。
同氏はさらに、金総書記の三男で後継者の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長についても「父親と同じような劣等感を抱えているに違いない。自信のなさを受け継いでいることは確かだ」との見方を示した。