パリ同時テロから1年、劇場再開でスティングさん公演
(CNN) 昨年11月の仏パリ同時テロで89人が殺害される現場となったバタクラン劇場が、事件から1年が経過するのを前に12日に営業を再開することが分かった。再開当日は英国の歌手スティングさんが公演を行う。
スティングさんは自身のウェブサイトで、「1年前の襲撃で亡くなった人たちを思い出し、敬意を示したい」「この歴史的な劇場が体現する生と音楽のあり方を祝福したい」との声明を出した。12日の公演で得られた収益は全額、事件の被害者や遺族を支援する団体に寄付される予定だという。
バタクラン劇場は2015年11月13日夜、米ロックグループ「イーグル・オブ・デスメタル」の公演中に銃で武装した男3人により襲撃された。パリではこれと連携する形で、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」による複数の攻撃が起き、130人が死亡。これ以来、同劇場は閉鎖されていた。
CNN提携局の仏BFMTVによると、公演に合わせてセキュリティーが強化されている。劇場内外にカメラが設けられるほか、治安要員や警官隊も動員される見通し。
同時テロから1周年を迎える13日には、イーグル・オブ・デスメタルのメンバーとともに事件の生存者が追悼式典に参加。犠牲者の名前を記した銘板が公開される。
バタクラン劇場のオーナーはBFMTVとのインタビューで、すべての人が劇場再開に同意しているわけではないと指摘。その気持ちは良く理解できるとした上で、「だが我々は大多数の人と同様、最高の解決策はおそらく劇場を再開することだと考えている。バタクランの魂を絶やさないようにしたい。我々はいつもこの劇場に誇りを抱いてきた」と述べた。