北朝鮮の強制収容所、拡張の兆し 衛星画像を分析
(CNN) 米ワシントンを拠点にする団体「北朝鮮人権委員会(HRNK)」は1日までに、北朝鮮内にある政治犯らの強制収容所をとらえたとする新たな衛星画像を公表し、建物の規模などが拡張している可能性があると報告した。
この収容所は北朝鮮北東部の沿岸地域にある清津市近くの通称「25号収容所」。2010年以前に規模がほぼ倍の水準に広がったとみている。同団体は声明で25号収容所や他の違法な拘束施設の衛星画像の分析により、最高指導者の北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の支配下でも強制労働の続行の確認が出来た可能性が強いと指摘した。
国連によると、北朝鮮内の強制収容所に閉じ込められている人数は最多12万人で、女性や子どもを含む。北朝鮮当局はこれら収容所の存在を公式には否定しているが、多数の人権擁護団体は生存者の証言や衛星画像の分析を基に今なお運営されていると主張している。収容者は強制労働の他、拷問、飢餓やレイプにさいなまれ、殺害も起きているとされる。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルも先月、北朝鮮は依然、国内の抑圧的な施設を維持し、運営などに新たな資金を投入していると主張。今年5月と8月に入手したとする2カ所の政治犯収容所の衛星画像を分析した限り、警備員の詰め所が新たに2つ加わり、火葬場と見られる施設の改善や農業活動が続いている様子が判明したとしている。