オーストリア大統領選、極右候補が敗北宣言
(CNN) オーストリアで4日に投開票された大統領選のやり直し決選投票で、元「緑の党」党首のリベラル派、アレクサンダー・ファンダーベレン氏の当選が確実となり、極右政党「自由党」のノルベルト・ホファー氏は敗北を認めた。
国営テレビが発表した出口調査によると、ファンダーベレン氏の得票率は53.6%に達する見通しになった。
ファンダーベレン氏は72歳の経済学者で、両親が一時難民キャンプに収容されていたという背景を持つ。移民に寛容な政策を主張し、同性愛者同士の結婚を支持する立場でも知られている。
ホファー氏はフェイスブックを通して敗北を宣言。「大変悲しい」と述べたうえで、ファンダーベレン氏の勝利を祝い、国民に団結を呼び掛けた。
オーストリアでは戦後、中道の2大政党が政権を担ってきたが、今回の大統領選では両党とも第1回投票で敗退した。今年5月の決選投票では接戦の末、ファンダーベレン氏の得票数がホファー氏を3万票上回ったものの、この結果は開票作業に不正があったとの理由で無効になった。
ファンダーベレン氏が国営テレビで語ったところによると、今回のやり直し投票ではホファー氏との差が30万票に拡大した。同氏はこの結果について「私たちを取り巻く世界の変化」による影響との見方を示し、英国民投票で欧州連合(EU)からの離脱派が勝利したこと、米大統領選を共和党のドナルド・トランプ氏が制したことを指摘。そのなかでオーストリアは欧州諸国に「希望の合図」を送ったと述べた。