イラク軍、国連発表の死者数を否定 「誇張」と批判
イラク北部アルビル(CNN) 国連イラク支援団(UNAMI)が先月死亡したイラク軍兵士らの数は2000人近くに上ると発表したのに対し、軍側が「不正確であり非常に誇張されている」と反発を示している。
イラクの統一作戦司令部は3日の声明で、UNAMI発表のような「虚偽のニュース」を広めることは過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」を利することになると非難した。
ただCNNの取材に対して具体的な人数は示さず、ISIS掃討作戦が今も続くなかで死者数を公表する義務はないと主張した。
これを受けてUNAMIも同日声明を出し、死亡した兵士らの人数についてはほとんど確認が取れていないことを認めた。
UNAMIは声明の中で、戦死者が出ることの多い紛争地域は外部から近寄ることができず、信頼できる情報筋もほとんどないため、一般に公開されている情報などに頼るしかないと説明。イラク政府の関連省庁に確認を依頼したものの、回答は返ってこなかったと述べた。そのうえで、今後より確かな裏付けが得られない限り、軍の死者数については公表を控える方針を示した。
UNAMIは1日、イラク軍兵士と警官、同国北部クルド人自治政府の治安部隊ペシュメルガや親政府系民兵組織の隊員らを合わせた先月の死者が2000人近くに上るとの報告書を発表していた。それによると、民間人では先月だけで900人以上が死亡、930人が負傷したという。