シリア反体制派、和平協議を中断 政権側が停戦違反と主張
(CNN) シリアの反体制派12組織で構成する「自由シリア軍」(FSA)は、1月下旬に予定されている和平交渉に向けた協議を中断すると発表した。4日前に合意した停戦の条件にシリア政権側が違反したと主張している。
和平交渉はロシアとトルコの仲介によって1月下旬に開かれることになっている。FSAはまだこの交渉への不参加を表明したわけではない。しかし今回の発表により、前途を阻む障壁の存在が浮き彫りになった。
FSAなどの武装勢力によれば、シリア政権側は首都ダマスカス郊外で反体制派の支配地域の包囲を続け、首都に水を供給しているワディ・バラダ地区に対して政府軍が攻撃を仕掛けたとされる。
一方、北西部を拠点とする反体制派の武装勢力は、政権側に違反があったとしてイドリブ近郊の政権側の拠点を攻撃したことを明らかにした。
反体制派は政権側が停戦を利用して態勢を立て直し、反体制派の支配地域を一つひとつ奪還しようとすることを警戒している。これに対して政権側は、攻撃の標的は停戦合意から除外された「テロリスト」だと主張。ワディ・バラダについても国際テロ組織アルカイダ系の勢力の拠点があるとした。ただし地元ではこの情報を否定している。
FSAは停戦を仲介したロシアなどに対して政権側による停戦違反をやめさせるよう何度も申し入れたにもかかわらず、住民が強制的に避難させられるなどの違反が続いていると述べ、「仲介者に合意条件を守らせることができない以上、他の条件を守らせることができるかどうかも疑わしい」と疑問を突き付けている。