ローマ教会、保守派会長が辞任 コンドーム巡り法王と対立
ローマ(CNN) ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王はこのほど、歴史ある修道会の「マルタ騎士団」の保守的な総長に事実上の譴責(けんせき)を行い、辞任に追いやった。
選挙で選ばれた修道会のリーダーを法王が辞任に追い込むのは異例のことで、カトリック内の保守派勢力と進歩的な法王との緊張を象徴する出来事だ。
きっかけは、マルタ騎士団の関連する慈善団体が、ミャンマーでコンドームを配布していたことだ。カトリックでは避妊具の使用は禁止されており、騎士団の幹部1人が責任を問われて解任された。
だが幹部は、配布を知ってすぐにやめさせたと主張。解任への異議を法王に申し立て、法王も解任を支持しなかった。
昨年12月、法王はこの幹部の解任についてマルタ騎士団を調査するよう命令を出した。
だが、同騎士団のマシュー・フェスティング総長は騎士団にバチカンの権限は及ばないとして調査への協力を拒否。今月10日、マルタ騎士団は調査は「法的に不可能」で「無用」だとの立場を公に示していた。