EU離脱へ前進、下院が手続き開始法案を承認 英
(CNN) 英議会下院は1日、欧州連合(EU)離脱に向けた手続きの開始を承認する法案を賛成多数で承認した。これで同法案の成立は確実になった。
法案は、メイ首相にEUからの離脱を通告するリスボン条約50条の発動権限を与える内容。498対114の賛成多数で下院を通過した。
ただし同法案については6日の週に下院で詳細な審議が行われ、野党は修正の提案を予定している。法案が成立するためには上院に当たる貴族院の承認も必要になる。
英国には50条を発動した時点から2年間のEU離脱交渉期間が与えられる。メイ首相は3月末までに発動したい意向を示しており、下院の質疑では、2日に公表する「白書」で離脱に向けた具体的な計画を明らかにすると説明した。
2日間にわたった審議では、与党保守党と野党労働党の対立も鮮明になった。労働党のミリバンド元党首は、EU離脱を支持するとしながらも、EU離脱が世界各国との関係に与える影響、特にトランプ政権下の米国との関係について懸念を示した。
EU残留を支持してきたオズボーン前財務相は、民意を尊重して賛成票を投じる意向を示す一方で、交渉は難航するだろうと述べ、EUは英国が加盟国だった時のプロジェクトに関して多額を求めてくると予想した。