海岸に74人の遺体、移民船が難破か リビア
(CNN) リビアの赤新月社は22日までに、同国北部の都市ザウィヤ近郊の海岸に漂着した74人の遺体を収容したことを明らかにした。死亡した詳しい状況は不明だが、報道によれば、現場近くでは破損したゴムボートが見つかった。
その前日に通報を受けて対応に当たったというボランティアは、地中海を横断して欧州を目指そうとした人たちが溺れ死んだようだと話している。
リビア赤新月社によると、海上にはまだ遺体が残されているが、波が荒く救助に使える船舶もないことから簡単には近付けない状態。残る遺体もいずれ海岸に漂着すると予想している。
赤新月社のザウィヤ支部が1度にこれほど多くの遺体を収容したのは初めてだという。
死亡したのは全員がアフリカ人の男性で、乗っていた船が18~19日にかけて遭難したと思われる。乗船者の人数は不明だが、付近で回収されたゴムボートの大きさなどから判断すると、150人前後が乗っていた可能性もあるという。
国際赤十字・赤新月社連盟によると、リビアから地中海中部を横断してイタリアを目指す難民や移民の数は増加傾向にあり、無事欧州にたどり着いた人の数も昨年に比べて増えている。
一方で、地中海東部やバルカン半島を経由して欧州を目指す人の数は、昨年以来、大幅に減っているという。
国際移住機関(IOM)の統計では、2016年は過去最悪の5082人が地中海を横断する航海の途中で命を落とした。