国境警備の警官が難民に一目ぼれ、マケドニアで新婚生活
(CNN) イラクの混乱を逃れて欧州にたどり着いたイスラム教徒の難民の女性と、国境警備に当たっていたキリスト教徒の警察官が国境で出会って恋に落ち、マケドニアで新しい生活をスタートさせた。
ヌーラ・アルカバジさん(20)は政府軍と過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)の衝突が続くイラクを両親や兄弟姉妹とともに逃れて欧州を目指し、数カ月かけて昨年3月、セルビアの国境にたどり着いた。
この日勤務していた職員の中で唯一英語を話せたのがボビ・ドデフスキさんだった。
初めて出会った瞬間に恋に落ちたというヌーラさんとボビさん。7月に結婚式を挙げ、マケドニアのクマノボで新生活を始めた。ヌーラさんの家族は数カ月後にドイツへ向かい、難民認定を申請している。
数カ国語を離せるヌーラさんは今、マケドニアで赤十字に勤務する。夫のボビさんも英語が堪能で、昨年は難民危機に対応して国境警備に就いていた。プロのダンサーでもあるボビさんは、ロシアやスペインなど世界各地での公演にも参加している。
マケドニアの生活になじむのに苦労はしなかったとヌーラさんは言う。「人々もこの国もこの街も、私が難民であることを感じさせない」。地域社会もすぐにヌーラさんを受け入れ、自分の家族も同様に2人の結婚を受け入れてくれたという。
ボビさんは「マケドニアでは多様な伝統や宗教が入り混じっている」「イスラム教徒の友人もいて、ラマダンを祝っている」と語る。ヌーラさんも、イラクでは多様性に富む社会で育ったと振り返る。ヌーラさんとボビさんの仲むつまじい様子を見て、家族が最初に抱いた不安も解消したという。