地中海密航仕掛けの主犯格逮捕、スーダンで
(CNN) 英国の凶悪犯罪の取締機関「国家犯罪対策庁」は9日までに、アフリカから欧州への密航を仕掛けていた中心人物の1人とされるアフリカ北東部エリトリア出身の男をスーダンで逮捕した、イタリアへ身柄送還したと発表した。
男はメレード・メダニー容疑者(35)で、リビアで長期独裁政権を敷き、殺害されたカダフィ大佐の振る舞いを真似ていたことから「将軍」の異名で知られていた。密航犯罪で最重要手配犯の1人となっていた。
スーダンの首都ハルツームの居場所を突き止め、同国警察と協力し逮捕した。イタリア当局が同容疑者の電話連絡の盗聴に成功し、地中海経由で欧州へ難民らを定期的に送り出す謀議の背後にいることを確認したという。
英国家犯罪対策庁によると、メダニー容疑者は傍受された電話での会話で2013年10月、伊南部ランペドゥーサ島沖合で密航船が沈没し、エリトリア人中心の300人以上の亡命希望者が溺れた惨事などを知り、笑い声を上げていたという。
同庁によると、ローマには7日夜に移送され、8日に出廷する見通し。イタリアの検察当局筋によると、同容疑者はランペドゥーサ島沖合で沈没した密航船を仕切っていたともされる。
地中海を渡っての難民らの流入に悩む欧州連合(EU)は密航船拿捕(だほ)や密航業者の摘発を拡大している。しかし、密航の企ては後退しておらず、地中海航行中に死亡した難民らは今年これまで2500人以上とされる。