プーチン氏、仏大統領選の右翼候補ルペン氏と会談
(CNN) ロシアのプーチン大統領は24日、来月のフランス大統領選の有力候補となっている右翼・国民戦線(FN)のルペン党首とモスクワ市内で会談し、両国関係の大きな重要性を強調した。ロシアの国営タス通信が報じた。
ロシアのペスコフ大統領報道官は記者団に、ロシアはフランスで4月23日に第1回投票がある大統領選に影響力を及ぼそうとする意図はないと指摘。他国の内政や選挙過程に干渉する考えもないと述べた。ただ、フランスの政治家と交流する権利はあると強調した。
ルペン氏は大統領選の世論調査の支持率で首位を争っている。タス通信によると、同氏は欧州連合(EU)がロシアに科す経済制裁を不公平で馬鹿げていると非難した。ボロジン下院議長との会談でも非生産的な制裁の解除を常に要求してきたと説明した。
仏大統領選候補で投票前にプーチン氏と会ったのはこれまでルペン氏のみとなっている。同氏は選挙戦などでロシアとの関係強化を主張。ただ、以前にロシアの銀行から融資を得た事実が明らかになり、批判されたことがある。
ルペン氏は昨年、CNNとの会見でこの融資に触れ、フランスの銀行が拒絶したため選択肢がなかったと釈明していた。融資は選挙戦の資金に充てたとの指摘が出ている。
同氏はロシアと対立する北大西洋条約機構(NATO)へのフランスの加盟に懐疑的な見方も示している。また、大統領に当選した場合、EUへのフランス加入の是非を問う国民投票を半年内に実施することを公約している。