反汚職デモで数百人拘束、政権批判の指導者も ロシア
モスクワ(CNN) ロシアの首都モスクワなど各地で26日、プーチン政権の汚職に抗議するデモが実施された。同市内では反政権運動の指導者、アレクセイ・ナバリヌイ氏をはじめ、参加者ら数百人が拘束された。
主催者によると、この日はロシア全土の100都市でデモが計画された。
国営タス通信はモスクワのデモに8000人が参加したと伝えた。ロシアの人権団体、OVDインフォは市内で700人以上が拘束されたとツイート。国営RIAノーボスチ通信は拘束者500人と報じた。
抗議デモは、ナバリヌイ氏がメドベージェフ首相らの不正蓄財疑惑を追及している運動の一環として実施された。
同氏はこの日、極東のウラジオストクを皮切りに各地で展開されたデモの写真をツイッターに投稿していた。さらに「私は拘束された。それがどうした」「拘束されてもやる価値のあることが、人生には存在する」などと書き込み、参加者らにデモの続行を呼び掛けた。
モスクワ警察は23日、デモは違法だとして市民に参加を控えるよう呼び掛けていた。大統領府も24日、デモを「違法」な「挑発行為」だと批判していた。当日は沿道で機動隊や私服警官が警戒態勢を敷いたが、目立った衝突は起きなかった
米国務省は、ナバリヌイ氏ら数百人の拘束を「民主主義の価値観に反する」と非難する声明を出した。
ナバリヌイ氏は2011年に起きた大規模な反政権運動で一躍有名になった。18年大統領選への出馬を表明しているが、今年2月に4年前の横領事件をめぐる裁判のやり直しで有罪を言い渡された。有罪判決を受けた者が公職の選挙に立候補することは法律で禁止されているが、同氏は上訴の構えを示している。