経済混乱のベネズエラ、乳児や妊婦の死亡急増 医薬品足りず

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医薬品不足の深刻な病院で治療を受ける女性

医薬品不足の深刻な病院で治療を受ける女性

(CNN) 深刻な経済危機が続く南米ベネズエラで、医薬品の極端な不足のために命を落とす乳児や妊婦が急増し、マラリア患者も激増していることが11日までに分かった。

同国保健省の統計によると、2016年に確認されたマラリア患者は24万人に達し、前年より76%増えた。妊婦の死亡は66%増の756人に、乳児の死亡は30%増の1万1466人に上る。保健省が統計を公表したのはほぼ2年ぶり。

この統計は、軽いけがや病気でさえ十分な手当てができないほど、医薬品や医療器具が不足している現状を物語る。

公立病院では、患者が医薬品や医療器具を自分で用意することを求められる。反政府デモに参加したという59歳の女性は、「もし手術が必要になったら、自分で薬を病院に持っていかなければならない」「ごく基本的な救急治療でさえ、対応できる物資がない」と話す。

ベネズエラ医薬品連合の統計によれば、2016年6月の時点で既に、医師が必要とする医薬品の80%以上が不足している状況だった。

医薬品だけでなく、注射針やガーゼ、生理食塩水なども患者が自分で用意する必要がある。手持ちのお金をかき集めてようやく購入した物品が、病院で盗まれることも多い。

同国の医師の約20%に当たる1万3000人は、医療が成り立たなくなったことを受けてベネズエラから出国した。

国民は深刻な食料不足にも見舞われている。食べる量が減ったり食事を抜いたりする生活の中で、最貧困層に属する国民の体重は昨年1年間で平均8.6キロ減った。

スーパーマーケットへ行っても食品が買えるとは限らず、インフレ率が720%に迫る中、国民の窮状は同国の政情不安を一層加速させている。

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