リベリアで13人死亡、「謎の疾患」の原因は髄膜炎か
(CNN) 西アフリカのリベリアで原因不明の疾患による死者が相次いだ問題で、世界保健機関(WHO)は10日、原因は髄膜炎の可能性があると明らかにした。
WHOによれば、4月23日以降の発症者数は31人で、うち13人が死亡した。
リベリア保健省からは8日、4人の死亡患者から採取した標本からC型の髄膜炎菌の陽性反応が出たとの報告があったという。ただしWHOは、続行中の調査の結果を見なければ原因を断定することはできないとしている。
WHOによればリベリア保健当局は、感染の疑いがある患者の隔離や接触した人の追跡調査を行う一方で、安全な方法での埋葬を要請している。また、地域や宗教の指導者に対し、注意喚起に協力するよう呼びかけているという。
髄膜炎には効果のあるワクチンも用意されている。保健当局は感染拡大を防ぐための予防接種についても検討しているという。
集団発生が始まったのは4月23日。下痢や嘔吐(おうと)、意識の混濁で11歳の子どもが病院に搬送され、1時間もしないうちに死亡した。
WHOによれば、この子どもは前日に同国南部シノエ郡で行われた宗教指導者の葬儀に参列しており、この後、参列者の中で発症する人が相次いだ。発症しながら葬儀に出席していなかったのはある参列者のパートナー1人だけだった。
髄膜炎菌には6つの型がある。髄膜炎の多発地帯として知られる北アフリカで多く見られるのはA型だが、他の型の発生もある。
国際医療支援団体「国境なき医師団」によれば、ナイジェリアでは現在、過去9年間で最大の規模でC型髄膜炎が流行している。昨年末から4月末までに9600人以上が罹患したとみられ、839人が死亡したという。