独最大州で議会選、与党が勝利 メルケル首相に追い風
(CNN) ドイツ最大州の西部ノルトライン・ウェストファーレン州で14日、議会選挙が実施され、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)が社会民主党(SPD)を破って第1党となった。メルケル氏は9月に予定される総選挙に向けて一段と勢いを増している。
暫定結果によると、CDUの得票率は33%、SDPは31.4%だった。
同州は総選挙でメルケル氏と対決する前欧州議会議長、シュルツSDP党首の出身地。SDPは1966年以降、ほぼ途切れることなく第1党の座を維持していた。
CDUのタウバー幹事長は首都ベルリンで、「SPDの牙城を制した」と宣言した。
シュルツ氏は同市内で支持者らを前に「惨敗」を認め、「SPDにとっても私自身にとってもつらい日になった」と述べた。そのうえで「人当たりばかり良くて主張に具体性がない」との批判を受け止め、改善に努めると表明。「SPDは反撃のやり方を知っている。総選挙はまだずっと先だ」と強調した。
総選挙前に実施される主要な地方選はこれが最後。CDUは3月の南西部ザールラント州、今月7日の北部シュレスビヒホルシュタイン州の各選挙でも勝利を収めていた。
難民排斥を主張する新興右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の得票率は7%余りだった。同党はこれで国内16州のうち、13州で議席を獲得したことになる。
AfDは昨年9月、メルケル氏の選挙区である北東部メクレンブルク・フォアポンメルン州の議会選挙でCDUを破る勢いを見せていた。しかし欧州の選挙では最近、全体として極右勢力が失速傾向にある。