記者ら17人の公判始まる、クーデター未遂関与の罪 トルコ
トルコ・イスタンブール(CNN) トルコで24日、昨年のクーデター未遂に関与したとしてテロ関連の罪に問われた左派系新聞「ジュムフリエト」の記者など17人の公判が始まった。トルコの言論の自由が試される裁判として注目されている。
ジュムフリエトの記者や経営者、弁護士などは、昨年のクーデター未遂でテロ関連の罪に問われ、9カ月近くも勾留された後に、初出廷した。有罪になれば、最大で43年の禁錮を言い渡される可能性もある。
トルコ政府は米国在住のイスラム指導者フェトフッラー・ギュレン師がクーデター未遂に関与したと主張。検察側は、ジュムフリエト紙がギュレン運動のメンバーを支援したと論じる見通しだ。ギュレン師は事件への関与を否定している。
人権団体は今回の裁判について、与党・公正発展党(AKP)がクーデター未遂を口実にして、野党の封じ込めを狙っていると訴える。
「ジュムフリエト紙は今も残る数少ない独立系報道機関の1つだ。だからこそ裁判にかけられた」「今日、報道の自由が裁かれる。トルコが今ほど困難な状況に置かれたことはなかった」。国際NGO、国境なき記者団のヨハン・ビーア氏は裁判所前でそう語った。
ロイター通信によると、政府は報道規制を厳重化し、150あまりの報道機関を閉鎖させて、推定160人の記者を拘束したとされる。
皮肉なことに、7月24日はオスマン帝国下で行われていた言論統制が解除された日として、報道の自由を記念する日に当たっていた。