イエメン反政府派、サウジにミサイル攻撃 930キロ飛翔か
(CNN) 米国防総省当局者は26日、内戦下にある中東イエメンでハディ暫定大統領派と交戦する反政府武装組織「フーシ」が国境を接するサウジアラビア西岸部の奥深くにミサイル1発を撃ち込んだことを明らかにした。
攻撃の標的はサウジの紅海に面する港湾都市ヤンブーの石油設備だったとした。被害の程度は伝えられていない。ただ、フーシ系メディアに関係するウェブサイトはサウジの石油精製所を狙ったスカッド型ミサイルの発射場面とするビデオ映像を掲載し、標的に命中したと主張した。
イエメン内戦では、イランがフーシを、サウジ率いるアラブ諸国の有志連合が暫定大統領派に肩入れしている。
CNNの取材に応じた2人の国防総省当局者によると、22日に発射されたのは「スカッド」ミサイルとみられる。イエメン北部のサーダ近くにあるフーシ拠点から発射し、約930キロ飛行したという。フーシがこれまで撃ち込んだミサイルよりさらに遠くへ着弾しており、懸念を深めている。
マティス米国防長官は先に、イランがミサイルを含む兵器をフーシに供与していると非難。長官は今年4月にサウジアラビアへ向かう途次、「我々はフーシがイランから届けられたミサイルをサウジへ撃ち込むのを目撃している」と語っていた。
米国防総省当局者によると、フーシが今回発射したミサイルがイラン供給のものかイエメン北部を制圧する際、政府軍の兵器庫から奪取したものかは不明。
サウジ政府はフーシのミサイル攻撃へのコメントは即座に出していない。ただ、国営通信は22日、サムレフ石油精製所の入り口にある電気変圧器で高温気候が原因の火災が発生したと伝えていた。