赤ちゃんを孤児院に「郵送」試みる、母親を拘束 中国
北京(CNN) 中国福建省福州市の警察は12日までに、新生児をビニール袋にくるみ孤児院に郵送しようとしたとして、24歳の母親を拘束したと発表した。赤ちゃんは現在、同市の病院で保護されており、容体は安定している。
地元メディアの報道によれば、母親は9日、赤ちゃんをビニール袋数枚にくるみ、配達員が受け取りに来ても荷物の中身を見せなかった。配達員が輸送中に内部の動きや音に気付いて不審に思い荷物を開けたところ、生きた赤ちゃんが見つかりショックを受けたという。母親は赤ちゃんを遺棄した容疑で警察の取り調べを受けている。
中国のソーシャルメディアで拡散した携帯電話の動画には、警官や病院職員が現場に到着するなか、近隣住民が赤ちゃんの世話をする様子が捉えられている。
保護先の病院の関係者は11日、CNNの取材に、赤ちゃんの命に別条はないと明らかにした。警察は既に母親の身元を特定し、母親は赤ちゃんを自宅に連れて帰りたいと話しているとも語った。
多くの中国人ネットユーザーはこの母親の発言に激怒。「赤ちゃんを両親の元に戻すのは、再び捨てることができるようにするためだろうか」「こんな人は親になる資格がない。国は権利を剥奪(はくだつ)すべきだ」との声が上がっている。
中国民政省の最新の統計によると、中国には約46万人の孤児がいる。元当局者は2014年、CNNに「捨てられた子ども10人につき1人のソーシャルワーカーしかいない」と明かしていた。こうした子どもの中には障害を抱えている子も多いという。
また、同国の厳しい家族計画に関する政策や伝統的に男子を好む傾向により、特に農村部では女児の方がより遺棄のリスクにさらされやすい環境が存在してきた。