在キューバ米大使館への「音響攻撃」、カナダ外交官も被害
米政府当局者によると、キューバ政府は今回の事態を深刻に受け止め、解明に向けて尽力している。この夏には、今回の事件の捜査を担当する米連邦捜査局(FBI)やカナダ連邦警察の捜査員のキューバ入国を認める異例の措置を取り、外交官の公邸周辺の警備を強化しているという。
公邸内の捜索も行われたが、音響攻撃に使われた装置は発見できず、出所は今も特定できていない。
米政府では手口の巧妙さから判断して、第3国が米国やカナダに対する報復を狙って、あるいはキューバとの関係を悪化させる目的で、攻撃を仕掛けている疑いもあると推定。捜査当局は、米国と敵対関係にあるロシア、中国、北朝鮮、ベネズエラ、イランといった国の工作員が関与した可能性について調べている。しかし現時点で容疑者を絞り込むことはできておらず、キューバがどの程度関与しているのかも不明だ。
米国でトランプ政権が発足して以来、キューバとの関係は揺らいでいる。
一方、カナダは1959年のキューバ革命後も国交を維持して、経済・外交関係を深めてきた。