米軍艦衝突事故 不明者の捜索続く、原因究明へ徹底検証指示
(CNN) 米海軍の誘導ミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン」がシンガポール沖で商船と衝突した事故で、マラッカ海峡の現場では一夜明けた22日も行方不明になった乗員10人の捜索が続けられている。
太平洋で海軍艦の衝突が相次いだ事態を受けて米海軍制服組トップのリチャードソン作戦部長は、原因究明のために包括的な検証を行うと表明。マティス国防長官もこの決定を支持すると表明した。
米軍艦が太平洋で衝突事故を起こしたのは今年に入ってこれで4度目。リチャードソン作戦部長はフェイスブックに掲載した声明で、「日本に展開している部隊の訓練や資格認定の手順」について検証を行い、運用や戦闘任務を確実に遂行させるために全力を尽くしていることを確認するよう、艦隊の司令官に指示したことを明らかにした。
リチャードソン氏によると、現時点でサイバー攻撃や破壊工作によって衝突が引き起こされたことをうかがわせる痕跡は見つかっていない。しかし「あらゆる可能性に目を向ける」とした。
同氏はさらに、艦隊司令官らに対して1日間の運用停止を命じ、安全で効率的な運用を徹底されるための措置を講じるよう促した。
米第7艦隊によると、21日の衝突事故は、ジョン・S・マケインが寄港先のシンガポールへ向かう途中で現地時間の午前5時24分に発生。石油タンカーと衝突したジョン・S・マケインの船体は大きく損傷し、船室や機関室、通信室などが浸水した。
海軍によると、現場周辺で石油や燃料の流出は確認されていない。ジョン・S・マケインは自力で航行してシンガポールのチャンギ海軍基地へ向かった。