ミャンマー政府、ロヒンギャ武装集団の停戦申し出を拒否
(CNN) ミャンマー西部ラカイン州で軍との戦闘を続ける武装集団が停戦を申し出たのに対し、政府側は11日までに、これを拒否すると表明した。
イスラム教徒の少数派ロヒンギャの武装集団とされる「アラカンロヒンギャ救済軍(ARSA)」は9日、州内の人道危機に対応し、支援を可能にするためとして10月9日までの停戦を宣言した。
しかしミャンマー政権の事実上のトップ、アウンサンスーチー国家顧問の報道官はCNNの取材に「テロリストとは交渉しない」と答え、停戦の申し出を拒否した。
ラカイン州では先月末、武装集団が国境付近の治安施設を次々と襲撃した事件をきっかけに、軍が「テロ掃討作戦」を強化。戦闘に巻き込まれて少なくとも1000人の住民が死亡、数十万人が隣国バングラデシュなどへの避難を強いられているとされる。
スーチー氏に対しては、ロヒンギャ救済に向けて行動を起こすべきだとの批判が高まっている。
米国務省は9日の声明で同州の状況に「深い懸念」を示し、国連など国際機関と協力して難民らを支援すると表明したが、スーチー氏への批判には言及しなかった。
同氏は人権活動家として知られ、ノーベル平和賞も受賞した人物。しかしロヒンギャを擁護すれば国内で多数派を構成する仏教徒などの支持を失い、さらには政権内の地位さえ危うくなりかねないと、専門家らは指摘している。