シンガポール大統領選、マレー系女性候補が無投票で勝利

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シンガポール初の女性大統領が選挙による投票を経ずに誕生

シンガポール初の女性大統領が選挙による投票を経ずに誕生

シンガポール(CNN) シンガポールの選挙管理当局は11日、マレー系女性のハリマ・ヤコブ前国会議長が無投票で大統領選に当選したと発表した。当初選挙は23日に予定されていたが、今回から導入された立候補資格を満たす候補者がハリマ氏のみとなり、同氏の無投票当選が決まった。

ハリマ氏は11日、記者団との会見で「シンガポール国民のために最善を尽くすことを約束するのみ。選挙があってもなくてもそれは変わらない」と述べた。

シンガポールで女性が大統領に就任するのは初めて。同国の大統領職は象徴的な意味合いが濃いものの、政府高官の任命や国庫準備金にかかわる権限を持つ。

同国は多民族国家だが、中国系が74%と多数派。リー・クアンユー初代首相の長男、リー・シェンロン首相も中国系だ。一方で人口の13%を占めるマレー系は長年、差別や貧困に直面してきた。

新たに導入された制度では公正を期するためとして、ある民族が過去5回の選挙で大統領を出していない場合、次の大統領をその民族から選出することが定められた。これまでマレー系から就任したのは、1965~70年の初代大統領だけだった。

また立候補の条件として、民間人の場合は自社の資本を3億7000万ドル(約400億円)以上保有する最高経営責任者(CEO)であることなどが規定された。

ハリマ氏以外に立候補を予定していた実業家2人は条件を満たさないと判断され、資格を得られなかった。

こうした経緯に対しては、野党候補の立候補を阻止しようとする政府の策略だと反発する声が上がっていた。さらに出身民族をどう区別するのかという問題も指摘されてきた。ハリマ氏も父はインド系と報じられている。

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